SiSグラフィック搭載機にLinuxをインストールするメモ

症状

Ubuntuをインストールしようと試みるもGUIインストーラ自体が起動せずインストールできない。

原因

X.orgのSiSドライバ内においてモニタのEDID解釈部分でセクションの拡張を考慮していないためにSEGVする。

対処

インストーラが起動する前の画面が紫色の場面で何かキーを押して起動オプションにxforcevesaを付け加えてVESAドライバを使用する。インストール後はshiftキーでgrubメニューを表示させてeで起動オプションに「text」を付け加えてテキストモードで起動し、VESAドライバを使用するようにしたいので/etc/X11/xorg.confを管理者権限で作成編集して

Section "Device"
   Identifier "XXXX"
   Driver "vesa"
EndSection

Section "Screen"
   Identifier "YYYY"
   Device "XXXX"
EndSection

となるようにする。これで常にVESAドライバが使用されるようになる。

もしくはEDIDの拡張部分を使用しない別のモニタに替えるという物理的な方法もおそらく使える。
起動時にはモニタを接続せずに必要になった時だけモニタを接続するという方法も?

3Dサポートとパフォーマンスについて

Linuxにおいて3Dをサポートするには別途DRIドライバが必要になるが、多くのSiSチップセット向けにDRIドライバは存在しない。
なので3Dサポートは望めずUnityは重く実用にならない。結局xubuntu-desktopなどを導入することになる。

やはりLinuxでは新しめのIntelAMD,NvidiaあたりのGPUを選ぶのが鉄板か。

Fixed ドライバ

それでもSiS用が使いたい人のためにEDIDバグを修正したドライバを用意しました。
GitHub - gununu/xf86-video-sis-stable: Driver for SiS with stability fixes. Tested on sis662. Forked from https://gitorious.org/xf86-video-sis671/sis-671-fix Threre is no maintenance activity except compilation error fixes.

実際にはいろいろと悪戦苦闘してUbuntuのmini.isoからテキストモードインストーラを使用しました。現在ドライバにはこのsisimediaドライバを使用しています。
このドライバはantiXというディストリビューションに取り込まれたらしいので手っ取り早くSiSチップ搭載機上でLinux環境を用意したいならUbuntu系列ではなくantiX 15以降を使用するのがいいのかもしれません。

インストールやデバッグに使用した便利なコマンドなど

管理者権限でコマンドを実行する
sudo XXX

パッケージのインストール
sudo apt-get install XXX

パッケージの検索
apt-cache search XXX

ホームディレクトリへ移動。 ~はホームディレクトリを表す
cd ~

パスやコマンド名の補完
TABキー

カレントディレクトリのファイルを表示 -aは.から始まる隠しファイルを表示
ls -a

カレントディレクトリにあるファイルの実行 ./から始める
./ファイル

テキストエディタVimに慣れていないならnanoが簡単
nano FILE

ファイルのコピー
cp FROM TO

リネーム
mv OLDNAME NEWNAME

ファイルの削除 ディレクトリを再帰的に削除するにはrm -r
rm FILENAME

プロセスの表示
ps alx

プロセスの終了
kill PID

Xの終了
sudo service lightdm stop

再起動
sudo reboot

シャットダウン
sudo shutdown -h now

X.orgのログファイル
/var/log/Xorg.0.log